「袴着の儀」とは?
七五三は三歳と七歳は女の子が、三歳と五歳は男の子が、それぞれ参加することになる行事です。
ちなみに、あなたの地域では三歳と七歳は女の子、男の子は五歳だけ…のようになっていませんか?実際のところ、本来は三歳の時に男の子も七五三をやるべきとされています。
しかし、近年では男の子の場合、三歳をやらずに五歳だけ七五三をやるという地域も少なくありません。
この理由は、過去に三歳の七五三の宣伝として、某呉服店が女の子の着物を大々的にアピールしてしまったことにあります。
これによって、七五三の「三」=女の子の行事という間違った認識が広まってしまったのだそうです。
さて、そんなわけで男の子の場合は五歳の時に七五三をやるというのが一般的となっているわけですね。
この男の子だけの五歳の七五三は、別名「袴着の儀」とも呼ばれています。
その名のとおり、はじめて袴を身につけてお祝いをするため、この名前が付けられたといいます。
ちなみに、宮中においてはこの儀式、「着袴の儀」という名前で呼ばれているといいます。
このような袴着の儀の風習は古き時代から受け継がれてきています。
これを経て、男の子は羽織袴を着用するようになっていったわけです。
また、実は平安時代の頃はこの儀式、男の子だけが受けるものではなかったといいます。
当時は女の子もはじめて袴を身に付けるという儀式を受ける必要があったようで、現代のような男の子だけの風習ではありませんでした。
しかし、江戸時代の頃から次第に袴着の儀は男の子だけの風習として移り変わっていき、今に至るというわけです。
男の子が五歳の時に行う七五三には、このような歴史があったのですね。
ちなみに、五歳の七五三では、どのような格好が正式な晴れ着として認められるのでしょうか。
基本的には袴を着用するのはもちろんのこと、それに紋付と羽織というセットが晴れ着とされています。
五歳の七五三を行う際には、これらをしっかり用意しておきましょうね。